【ONE PIECE第643話】フカボシ王子が語る「ホーディ・ジョーンズの正体」は、世界で起きている「聖戦」を考える良質なテクストである

テロリスト 考察

第643話の【ONE PIECE】は魚人島編のストーリーで尾田先生が最も読者に伝えたかったシーンではないでしょうか。

「ファントム」

まず第643話のタイトルは「ファントム」です。ファントムとは亡霊、幽霊のこと。このタイトルに込められた思いは、フカボシ王子が語る「ホーディ・ジョーンズの正体」の真相につながります。

フカボシ王子が語る「ホーディ・ジョーンズの正体」

第643話は第641話のフカボシのセリフ「ホーディ・ジョーンズの正体がわかった……!!!」に続く、大事な回です。

島へと「ノア」が落下する中、フカボシ王子からルフィに伝えられたのは「ホーディは環境が生んだバケモノだ」という言葉です。

以下、セリフを列挙します。

「新魚人海賊団」は怨念がつくりあげたバケモノたちだ。先人たちの恨みが忘れ去られることを恐れ、人間たちへの怒りが冷める日を恐れ、生き急ぎ、己の聖戦が正しくあるため、人間が良いモノでないことを願っている! 血を欲するこいつらは魚人族の平穏すら望んではいない! こいつらの恨みには「体験」と「意志」が欠如している! 実体のない空っぽの敵なんだ!

聖戦(ジハード)

このストーリーは、連載当時に話題となったイスラム国を名乗る過激派勢力ISILが指揮する聖戦(ジハード)と似ています。

聖戦(ジハード)はイスラム教にとっての神の道のために奮闘することですが、神のために戦って犠牲になっても天国にいける、とされています。そのためイスラム国は自爆テロが多いわけです。

自分たちの信じる道に通じている、という思いで、自分たちと考え方が違う人たち非ムスリム(非イスラム教徒)は生まれた場所が同じでも、排除していく考えであり、魚人島編は世界各地で起きている聖戦を理解するための良いテクストになりそうです。

まとめ

ISILにとっての自爆テロは【ONE PIECE】魚人島編にとってのE・S(エネルギーステロイド)ではないでしょうか。

世界史の教科書で聖戦(ジハード)を字面で読んでもあまりピンとこないと思いますが、魚人島編における「ホーディ・ジョーンズの正体」を知っている【ONE PIECE】読者であれば、たやすく理解できる気がしました。

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